特別な思い出の国スーダン
こんにちわ、うなお丸です。
私にとってスーダンは、とても印象の深い国。
スーダンまで一緒に行動していたエジプト人に、スーダンの首都についてから貴重品一式を盗まれ、取り返すために裁判を起こしたのです。
思わぬことで数週間滞在することになったのですが、多くのやさしさに包まれました。
大切な国スーダンを旅行する人のために、気候、物価、治安をまとめました。
スーダンはエジプトに接したアフリカの国
スーダンは、エジプトのとなりにある広大な国。北部は砂漠、南部はサバンナが広がっています。
2011年に南スーダンが独立し、世界で一番新しい独立国家を作りました。
日本人はあまりいないのですが、経済状況は良くないため、JICA (国際協力機構) がスーダンで活動をしています。
また、さだまさしさんの「風に立つライオン」の本に登場する医師の川原尚行さんが、スーダンの人々のためにNPO法人『ロシナンテス』を立ち上げて活躍されています。
スーダンはアフリカの中でも暑い国
スーダンは赤道がとても近く、一年を通して暑い国です。
年間の平均気温が約27℃。
特に50℃を超える夏場は、室内は蒸し風呂となります。
スーダンを訪れることになったら、暑さへの態勢を付けておく必要があります。
四季別のおすすめ服装
夏……4月~6月。気温が50℃を超える、灼熱の季節です。
半袖半ズボンとなりたいところですが、日光が強いため、肌を出すとやけどします。薄くていいので、脱ぎ着できる長袖や長ズボンを用意しましょう。
それでなくても敬虔なイスラム教国家なので、人前に出るときは、肌の露出を控える必要があります。中は薄着でも構いません。
帽子やサングラス、日傘を用意しましょう。
9月、10月頃は気温が下がってきますが、まだまだ暑いです。
涼しい季節……11月~3月。日本では冬といいたいところですが、常夏の国なので、最高気温は30℃を超えています。日本の真夏と変わらないので、薄着で過ごしてください。薄手のはおりものも必要です。
雨季……7月・8月。毎日のようにスコールが降り注ぎます。
雨具と着替えを必ず用意しましょう。
例外……砂漠地方。夜は冷え込んできますので、少し厚手の上着を持って行った方が安心です。
スーダンの暑さはえげつない
基本的にましだと言われる時期でも30℃、また夏季の暑い時期に関しては50℃に達するスーダン。
これは歩くのがしんどく、また命の危険を感じる暑さ。
ホテルは、「室内だと死んじゃうよ」といわれて露点ベッドが置いてありました。
お味噌汁にお水を入れて日向に置いておくと、温かい味噌汁ができました。おいしくなかったですが……
現地では凍らせた水を売ったりしていますが、あまり効果もありません。
しっかりと帽子をかぶる、昼間はできるだけ歩かないなど、さまざまな工夫をして過ごしてください。
スーダンの物価は安い
食事関係の相場
オレンジ(1㎏):250円
パン(500g):150円
ビール:150円
コーラ:50円
水1.5L:60円
日本に比べると、わりと安くなっています。
ただ、パンはここ数年、政府の小麦への補助金が削減された関係で値上がり中。それにつられて、他の食材も徐々に値上がりしていく傾向にあります。
外食の相場
魚の揚げ物:200円
フラッフェル:10個入り15円
カワーリャ定食:300円
フンムス:280円
ハンバーガーセット:450円
宿泊施設の相場
ネットに載っているホテル:5000円~
載っていないホテル:500円~
ネットでスーダンのホテルを探すと、高くてびっくり。
ですが、スーダンでネットに広告が載せられるホテルというのは、五つ星レベルの所ばかり。高いのも道理です。
現地に行って探せば、とても安いホテルがすぐに見つかります。
交通機関の相場
タクシー初乗り:240円
ローカルトランスポート:17円
ガソリン(1L):35円
値段表には出てきませんが、街から街への移動手段として、荷物を運ぶトラックに乗せてもらうと言う方法があります。
無料~200円くらい。旅人を愛するスーダンの習慣のおかげか、私は無料で乗せてもらえました。
運転手さんに交渉してみてください。
スーダンでは現金払いを
スーダンではクレジットカードはあまり役に立ちません。
アメリカから経済制裁を受けている関係で、VIZAなどアメリカ資本のクレジットカードが使えないからです。
また、日本から送金できるウエスタンユニオンも同じ理由で使えません。
すべて現金で支払うつもりで、多めに持っていきましょう。
もちろん、多めに持っていることは周りの人には内緒です。
スーダンは人の優しさに包まれあまりお金を使わなかった
物価は安いです。ですが、実は私はスーダンであまり自分自身食事でお金を使いませんでした。
ご飯時に外に出かけると、その辺の人から誘われ、誘われるがままに食事することもしばしば。
屋台だけではなく道端に腰を下ろしてご飯を食べている人も多く、そういった輪に混じったりしながらスーダンの人々と親睦を深めました。
スーダンの治安について
スーダンに関しての外務省発表
◆事情があっても行くべきではない地域
・ダルフール地方5州
・青ナイル州
・エリトリアとの国境地帯
・南スーダンとの国境地帯
◆不要不急なら行くべきではない地域
・ハルツーム(首都を含む)
・北コルドファン州
・カッサラ州
など10州
また、デモが暴動に発展する恐れがあるほか、部族間での衝突などの注意喚起もなされています。デモは基本的には近づかないようにするほか、テロの標的となりやすいので、外務省の渡航勧告をしっかりと見るように心がけましょう。
実際にスーダンで肌に感じた治安
スーダンでは、まだまだ紛争が続いています。
特に危険なのが、ダルフール地方。
現地でホテルに滞在していた際も、北部ワディハルファからハルツーム、そしてエチオピアへ抜けるルートを取る人が多く、ダルフール地域に行く人は1人も見かけませんでした。
そして、南スーダンの独立により、南スーダンが国として誕生しましたが、まだ治安的に落ち着いていません。
外務省からは、南スーダン全体が渡航に向かない国家だと発表されており、南スーダンに面しているスーダン側の国境地帯付近も渡航をしないように中止勧告が出ています。
ダルフールでは戦争犯罪が多く報告されているほか、誘拐、その他重大な犯罪に巻き込まれる恐れもあり、また現在も内戦中ということですので、近寄らない方が賢明でしょう。
治安で気を付けるエリア
ダルフール地方
前述した事ではありますが、ダルフール地域は現在も内戦が続いているエリアとして知られ、戦争犯罪などが多く行われているエリアではあります。
ダルフールでは戦争犯罪が多く報告されているほか、当局が機能していないため、誘拐、その他重大な犯罪に巻き込まれる恐れもあります。また現在も内戦中ということですので、近寄れば命に関わります。
旅行をする際に訪れる機会もは無いとは思いますが、基本的にはここの近くを通るようなスケジュールは立てないようにしましょう。
移動は北から南へ真っ直ぐに、また、南もハルツーム以南はエチオピアに陸路または空路で抜けるルートがもっとも安全であるといえるでしょう。
できれば、移動はできるだけ陸路を使うのではなく、空路でハルツームに入り、空路で出ることをおすすめします。
首都ハルツーム
ハルツームはスーダンの首都として知られています。ハルツーム国際空港がある事でも知られるこのエリアは、数多くの民族、またさまざまな人が世界から訪れる街です。
さまざまな人たちが訪れる事から、トラブルも起こりやすく、また、犯罪に巻き込まれるリスクが、スーダンの、一般的旅行スポットの中ではいちばん高い町であると言えます。
それだけに注意をして旅をする事を心がけて行動してください。
エチオピア国境
陸路でスーダンに入るときに通るのが、エチオピアとの国境。
国境ということでいろいろな人が行き来していることから、犯罪に巻き込まれるケースが高いと言えるでしょう。
また、エチオピア国境及び、エジプト国境付近に関しては、基本的にインフラが整っていない事から、何かの犯罪に巻き込まれた場合でも、即座に対応してもらうことは困難であると思われます。
そのため、細心の注意を払って行動することと、隣国へ渡航する場合、その隣国の治安情勢をしっかりと知り、情報を手に入れることを心がけることが重要です。
また、危ないと感じた場合は無理に陸路で移動するのではなく、安全な地域まで空路で移動するのも一つの手段であると言えるでしょう。
ケース別治安ポイント
街中を歩くときはお金は懐深くに
クレジットカードが使えないので、基本的には現金を持ち歩き、スーダンポンドに換金しながら旅行することとなります。
このような事情から、スリには特に注意するようにしてください。
貴重品をその辺に置いておくと、すぐに狙われますので、注意する必要があります。
夜道は極力歩かない
夜の一人歩きは、犯罪者の目から見るとカモです。街灯のない所も多いですし、暗い中で強盗や誘拐の可能性があります。
警察も巡回しているわけではないので、夜道、特に人通りがない場所を歩かないようにしましょう。
レストランでは貴重品を出さないことと傷んでいるかチェックを
レストランでは、貴重品を机の上に出したりしないようにしましょう。ひょっと持っていかれてしまいます。置き引きやスリなどに気を付けてください。
日本ではあまりないことですが、レストランで出される料理が傷んでいるケースが多く、お腹を壊したりする恐れもあります。
車も歩道もマナーがよくない
自動車の運転マナーは極めて悪く、飛び出しや割り込みは日常的です。また路面の陥没や故障車の路上放置もあちこちにみられるので、道端を歩くときは十分な注意が必要です。特に夜、街灯の無い道で、ライトの無い車が突っ込んでくると言う事故も起こっています。
タクシーを利用する際はシートベルトを着用しましょう。
リキシャと呼ばれる3輪タクシーは、転倒事故が多発しているため、あまり安全ではないと心しておきましょう。
また、バスはとても便利ですが、ありえないぐらい冷房を効かせるので、羽織るものなどを用意しておかないと外気温との差で間違いなく体調を崩します。
その他にスーダンで気をつけるべきなのは
スーダンに渡航するとアメリカに行けなくなる
スーダんはアメリカから経済制裁を受けている国の一つとして知られています。
また、2019年の段階で、アメリカ政府はスーダンに渡航した人たちに対し、ESTAを発行しない旨を定めています。
私はパスポートを変更してから渡米したので問題ありませんでしたが、今後は、パスポートを変更したとしても履歴を確認されて渡米できなくなるのではと言われています。
嘘をつくとどうなるのか、はわかりませんが、基本的にはそういった決まりなので、スーダンに渡航後、アメリカに行きたいと考えている方は、頭に入れておくとよいでしょう。
道路にはぬかるみが多い
スーダンの町はインフラが整っていないので、アスファルト舗装をされていない場所が多くあります。
マンホールの蓋が開いているかもしれませんし、また雨が降った後は道路がぬかるみます。
さらに、下水道整備が不十分な事もあり、7~8月の雨季に雨が降った後には道路がいたるところで冠水します。
よって、道路を歩く際には細心の注意を払わなくてはなりません。
ラマダン期は昼はお店が閉まっている
スーダンは敬虔なイスラム国家。
よって、ラマダンのシーズンに当たってしまうと、食料品店が昼間は閉まることになり、一般旅行者からすると割と不便なことが多いと言えるでしょう。
無理にお店を探すのではなく、前の夜に用意する、公の場での食事は控えるなど、現地のしきたりに従うのが無難であると言えます。
スーダンの人のホスピタリティは世界一だった
スーダンの人々は、旅人にとても優しくしてくれます。
その優しさ、そしてホスピタリティ精神は世界髄一だと思いました。
正直、自分はこの人たちの優しさを求めるためにもう一度旅をしたいぐらいです。
「バクシーシ」……イスラームの教えに旅人にはもてなせ、というのがある、と現地で言われたのを覚えています。
おかげで一生忘れられぬ素敵な旅をする事が出来ました。