ウガンダの治安について
スーダン在住でイスラム教に改宗、スーダン人と結婚したリヤード齊木です。
ウガンダはイギリス首相であったチャーチルが「アフリカの真珠」と呼んだほど美しい自然が豊かな国です。
世界で絶滅が危惧されているゴリラが生息する熱帯林や多くの動物が生息する国立公園、ナイル川の源流ビクトリア湖といった観光の見どころがたくさんあります。
赤道近くの土地でありながら、海抜約1200mに位置しているため過ごしやすい気候です。そのため一年中多くの旅行者で賑わっています。
そんな自然の魅力たっぷりなウガンダの気になる治安状況をお伝えします。
外務省安全情報
外務省安全情報では、ウガンダのほぼ全土が危険レベル1に指定されています。
首都のカンパラ、サファリができる国立公園、ビクトリア湖など観光地もレベル1指定です。
このようにウガンダ渡航に問題はありませんが、軽犯罪の発生件数が多いので軽犯罪には注意が必要です。
公用旅券所持者の動向から治安情報を得る
公用旅券所持者の動向も有益な治安情報となります。
特に、治安状況に最も敏感なのが青年海外協力隊の動向です。
隊員が亡くなるようなことがあると制度自体に批判を受けるため最も治安状況に左右されます。
現在、ウガンダでは多くの青年海外協力隊員が活動しています。これは情勢が安定している根拠となります。
ウガンダではSNSが有料?とまることもある?
2018年7月からウガンダではSNS利用者に課税をする法が適用されるとのニュースが報じられました。課税はSIMカードから料金が発生するようです。詳細はわかりませんが、30年以上続く大統領への批判を抑制するためとの報道もあります。
以前、大統領選挙の際にはSNSが全て利用不可となりました。
私がウガンダ旅行に出かけたのは大統領選一週間前でした。街中が選挙一色となっていて身の危険はありませんでしたが、カンパラの町では人々がピリピリしていました。安定しているとはいえ政治的な混乱も考えられますから、政治的なイベントと重なる旅行日程は避けた方がよいですね。
ウガンダの首都カンパラの治安は悪い?これらに注意しよう
ウガンダの首都カンパラは、赤道付近にありますが海抜約1200mに位置しているため夏の避暑地のような過ごしやすい気候です。
ガンダ王国という歴史ある王国の町として古くから栄えた地です。旧市街と新市街では治安状況が全く異なっていますので注意が必要です。新市街はかなりの発展をみせています。
オールド・カンパラ地区は治安が良くない
町の南西部のオールド・カンパラ地区に市民の衣食を支えるオウィノ・マーケットがあります。非常に活気のある市場ですが、人でごった返しており混沌としています。物乞いをする人も多くいるエリアです。
スリやひったくりの被害が多く報告されています。
安宿やバスターミナルがあるエリアなので旅行者が行くエリアです。十分に気を付けてください。
とくに狭い路地では人が密集していますので手荷物には注意してください。
スリや引ったくりに要注意
在ウガンダ日本国大使館にスリや引ったくり被害が多数報告されています。
首都のカンパラでは新市街と旧市街との貧富の差の拡大や物価高騰によって軽犯罪が増えてきています。旧市街のタクシー乗り場やオウィノマーケット付近は歩いてて怖いな思うほど人がたくさんいます。軽犯罪への対策を講じてください。
- 繁華街での貴重品の管理は厳重に注意する
- リュックサックを背負わず、前向きに背負う
- 貴重品やパスポートをポケットなど取りやすい場所に入れない
- 現金は分散して所持する
- マタツ(乗り合いタクシー)での犯罪が多いので気を付ける
- バイクによる引ったくりに注意する
もしも、強盗に合った時は抵抗せずに命を最優先にしてください。
交通事故の危険が高い
ウガンダではボダボダと呼ばれるバイクタクシーが便利です。特に渋滞の多いカンパラでは使う機会もあると思います。
しかし、渋滞の車両の間をすり抜けたり、道が陥没していたりして交通事故の危険性が高いです。余裕がある場合は乗り合いタクシーを利用する方が安全です。
ボダボダと歩行者が衝突し、大けがをする事故が目の前で起きました。このような事故は頻繁にあるので歩いているときも注意が必要です。
夜間は犯罪者集団とグルになって裏路地に連れていかれ強盗に合うケースも報告されています。夜間はボダボダを使わずに、タクシーを利用した方がよいです。
ウガンダの危険地域
国内の治安情勢が安定しているウガンダですが、周辺国の影響による危険地域もあります。危険地域への不要な訪問は控えるようにしてください。
ウガンダ西部
コンゴ民主共和国との国境地帯にあたるブンディブジョ県とントロコ県に危険度レベル3がでています。
2014年7月に93名が亡くなる暴動事件が起きています。
このエリアにはトロ動物保護区やピグミー村といった観光地があります。おすすめしませんが、訪問を予定する人は情報の収集と安全対策をしっかりと講じてください。
ウガンダ北部
ウガンダ北部南スーダン国境付近全てと北東部のカボング県に危険度レベル2がでています。
南スーダンとの国境付近は厳重な取り締まりが行われていますが、難民や武装組織の流入が予測されるため近寄らないようにしましょう。
ウガンダ北東部は長年にわたって反政府ゲリラ組織「神の抵抗軍(LRA)」による武装襲撃が続いていたが、ウガンダ軍による掃討作戦によってほぼ地域が平定されています。それでも、そのような地域であったという注意を怠らないようにしてください。
ウガンダのテロや紛争の現状
神の抵抗軍LRA
「神の抵抗軍」はウガンダ北東部を拠点としていた反政府組織です。少年少女を紛争に利用し、世界で最も残忍な反政府組織と呼ばれています。
ウガンダ軍による掃討作戦によって、現在「神の抵抗軍」の活動はウガンダ国内で報告されていません。
しかし、紛争の爪痕はいまだ残されたままです。少年兵にされた子どもは3万人ともいわれており、彼らの心のケアと社会復帰への支援が求められています。
ソマリアのアルシャバーブ
ウガンダ軍のソマリアへのAU平和維持部隊としてソマリアへ出兵に対する報復として、2010年7月にカンパラで爆弾テロが発生し、74名が死亡しています。
その事件以降テロは起きていませんが、テロの危険性はまだ拭い切れておらず情報の収集に努めてください。
サファリ・ゴリラトレッキングの安全情報
サファリやゴリラトレッキングができる国立公園は外国人を狙った身代金狙いの誘拐事件がかつて発生していました。
しかし、「神の抵抗軍」への掃討作戦や国立公園の厳重な警戒によって現在では事件の報告はほとんどありません。
国立公園のサファリはツアーが組まれていて、非常に安全面に配慮されていますので安心して楽しむことができます。ツアーに参加した時は、独自の行動をとらずにガイドの指示に従うようにしましょう。
マラリア対策を忘れずにしよう
ウガンダでは治安よりもマラリアのほうが危険かもしれません。
ウガンダのマラリアは症状の重くなる熱帯熱マラリアという非常に危険なマラリアです。
首都カンパラでもマラリアが報告されており、全土でマラリア対策が必要です。
マラリアは蚊を媒介に発症します。予防接種がないので蚊に刺されないことが重要です。特に熱帯雨林に入るゴリラトレッキングでは厳重な防蚊対策をするようにしましょう。
蚊の対策
- 防虫スプレーの使用
- 長そで、長ズボン、靴下の着用
- 就寝時に蚊帳を使う
- 必要な人は予防薬の服用
情勢の安定しているウガンダ旅行はおすすめです
1980年代から続いていた北東部の反政府組織「神の抵抗軍」の活動を収束させ、現在のウガンダは情勢が安定しています。政権も30年を超え、政治的な混乱もありません。
ウガンダはアフリカの真珠と呼ばれたほど美しい自然があり、サファリやゴリラトレッキングを楽しむことができます。
しかし、治安がよくなったとはいっても、やはり異国ですので犯罪に対する警戒を忘れないようにしましょう。
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