ブルージュってどんなところ?
こんにちは!トラベルライターのあゆみんです。
今住んでいるオランダから車でヒョイっと行けてしまう国、ベルギー。今回はその中でもブルージュ(Brugge)という都市をクローズアップします!
ブルージュの歴史は古く、9世紀に勃興したと言われています。
街中に運河が縦横に走る独特の構造と、街自体が北海近くに位置するという地理的条件から、13世紀には毛織物の交易で栄えましたが、15世紀になると交易の要であった運河が北海からの土砂で埋まってしまい、急速に衰退してしまいます。
再び脚光を浴びたのは19世紀になってから。ベルギーの著名な作家が、この地を題材にした作品を発表したのがきっかけでした。穏やかな運河が街中に横たわる風景は「北のベネツィア」とまで言われ、以来、ベルギーを代表する観光地として名を馳せています。
また、ブルージュは、タイトルにもあるように「屋根のない美術館」とも言われます。
街全体に歴史的建造物が立ち並ぶ世界遺産のブルッヘ歴史地区は、それはそれは芸術的な光景で青空美術館さながら。ご紹介する写真から、絵本のような美しい世界を味わってみてください。
ブルージュの世界遺産「ブルッヘ歴史地区」へのアクセス
まずはブリュッセル国際空港からブルージュへ
日本からブルージュを観光される方は、おそらくブリュッセルもあわせて観光される方が多いのではないでしょうか?
ブリュッセルは首都でベルギーの中央にあり、国際空港もある都市です。一方、ご紹介するブルージュは、西側の海に面した都市になります。
ブリュッセル国際空港からブリュッセル中央駅を経てブルージュまで行くには、電車を利用しましょう。ベルギー国内の都市間を結ぶIC(インターシティ:特急)に乗れば、中央駅での乗り換えを経て、1時間40分ほどで到着します。
※写真は黄色いレンガ造りの建物をしたブルージュ駅
ブリュッセルには中央駅(Gare Centrale)のほか、北駅(Gare du Nord)と南駅(Gare Midi)が存在しますが、どの駅からでもブルージュ行きの電車が出ているので、利用しやすい場所から乗車しましょう。
ブルージュ駅からブルッヘ歴史地区へ
ブルージュ駅からブルッヘ歴史地区のマルクト広場行きのバスも出ていますが、せっかくなので旧市街へと繋がる道を歩いて行くのがおすすめ。
現代的な駅前広場から歩みを進めるにつれて、徐々に雰囲気のある街並みが広がっていく様子はまるで中世のおとぎの世界へと足を踏み入れるようです。
ベルギー観光、英語は通じる?
ベルギーで話されている言葉はベルギー語・・・? 答えはNo。ベルギーでは、オランダ語、フランス語、ドイツ語の3種類の公用語が使われています。北はオランダ(フラマン)語、南はフランス語、東の一部がドイツ語と、地域によって話される言語が違う複雑な国なのです。
でもご安心ください。ベルギー人は英語が上手と言われており、ブルージュは一大観光地ですので、レストランでの注文時やホテルのフロントでの会話は英語で問題ありません。
ブルージュの必見観光スポットはこれだ!
地図の緑のピンの通り、ブルージュにある観光スポットはほぼ、前述のブルッヘ歴史地区の中におさまっています。このブルージュの旧市街は、1日もあれば見れてしまうほどコンパクトなもの。ここでは、効率よく回れるよう、順を追ってご紹介します!
①ロマンチックなブルージュ市民の憩いの場【愛の泉】
ブルージュ駅を出発して徒歩約10分、初めに現れるのが愛の泉(Minnewater)で、ミンネワーテル公園(Minnewaterpark)のちょうど西側に位置します。
なんだかすごくロマンチックな響きこの湖では、深緑の中に白鳥たちの戯れる姿を見ることができます。
詳細情報
所在地:Minnewater, 8000 Brugge, ベルギー
②静寂に包まれた【ブルージュのべギン会修道院】
愛の湖のすぐ近く、湖にかかる橋を渡って門を潜ると、ブルージュのベギン会修院(Begijnhuisje)が見えてきます。門の外の賑やかな雰囲気とは打って変わって静寂な空間がそこに立ち込めています。
この聞き慣れない「ベギン」というのは、12世紀にベルギーで生まれた女性の自立を支援するための共同体のことで、今でこそ女性の自立支援などと言われていますが、この時代からすでにそういった活動があっただなんて驚きですね。
公共の施設らしく、周囲の建物と違って極めてシンプルな外観です。
詳細情報
所在地:Begijnhof 30, 8000 Brugge, ベルギー
③欧州最古の病院を改装した美術館【メムリンク美術館】
欧州最古の病院の一つと言われている12世紀に建てられた「旧聖ヨハネ施療院」。1958年には、ドイツで生まれ、のちにブルージュ市民となった初期フランドル派の画家、メムリンクの作品を展示する美術館としてオープンしました。
メムリンク美術館(旧聖ヨハネ施療院:sint-janshospitaal)には、ベルギー7大秘宝の一つ「聖ウルスラの聖遺物箱」や「聖カタリナの秘密の結婚」などが展示されています。
詳細情報
④ブルゴーニュ公女、マリーの黄金の棺が見れる【聖母教会】
メムリンク美術館からほど近い場所にある大きな教会が、聖母教会(Onze Lieve Vrouw Brugge)。教会内には、ミケランジェロによる聖母子像や、この地で有名なブルゴーニュ公女マリーとその父シャルルの黄金の棺が安置されています。
高さ1.5mほどの存在感のあるこの棺、細部まで凝った細工が施され、職人の丁寧な仕事ぶりが伺えます。
詳細情報
所在地:Mariastraat, 8000 Brugge, ベルギー
電話:+32 50 34 53 14
公式HP:https://www.visitbruges.be/hoogtepunten/onzelievevrouwekerk
⑤ブルージュの街並みを一望【ブルッヘの鐘楼】
聖母教会からさらに北へ徒歩6分、マルクト広場に面した場所に建つ、ひときわ高い塔がブルッヘの鐘楼(Belfort van Brugge)です。塔の上からは中世の街並みを今に残す、オレンジで統一された屋根の立ち並ぶ美しい景色を見ることができます。
詳細情報
所在地:Markt 7, 8000 Brugge, ベルギー
電話:+32 50 44 87 43
公式HP:https://www.museabrugge.be/bezoek-onze-musea/onze-musea-en-monumenten/belfort?
⑥キリストの血の聖遺物が保管されている【聖血礼拝堂】
マルクト広場に隣接するように広がるブルク広場。その一角に佇むのがロマネスク建築の聖血礼拝堂(Basiliek van het Heilig Bloed)。なんでもここは名前のとおり、キリストの遺体を拭いて血に染まった布(=キリストの聖なる遺物)が保管されていることで有名です。
中も拝観できますので、キリスト教でない方ももちろん、荘厳な雰囲気をたたえた礼拝堂を訪れてみてください。
詳細情報
⑦ヨーロッパでも5本の指に入るぐらい美しい【マルクト広場】
さあ、旅も大詰めです。ヨーロッパにはたくさんの「マルクト広場」と名のつく場所がありますが、ここ、ブルージュのマルクト広場は一見の価値あり。
広場中央にあるブルージュの英雄、ヤン・ブレーデルとピーテル・デ・コーニングの銅像をはじめ、街を一望できる鐘楼や豪華な装飾の市庁舎、カラフルなギザギザ屋根が特徴的なギルドハウスなど、歴史的建造物が満載で見応え十分です。
詳細情報
所在地:Markt 20, 8000 Brugge, ベルギー
ブルージュ観光、美味しいもの情報
ベルギーといえばベルギービールやベルギーワッフルを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。ここ、ブルージュにも、美味しいビールとワッフルが楽しめるお店がありますよ!ぜひ、本場の味をご堪能ください♪
※地図中のハートマークのピンが打たれたお店をご紹介します
♪ブルージュ唯一のビール醸造所【Huisbrouwerij De Halve Maan】
昔、ブルージュにはいくつもの醸造所がありましたが減りに減って、今ではこの一軒のみとなりました。決まった時間になるとガイドツアーが開催されますので、ご興味のある方は参加されてみては。もちろん、ツアーの最後には試飲もできますし、レストランのみの利用も可能です。
詳細情報
♪ベルギーワッフル専門店【House of waffles】
ふわふわした食感のアメリカンワッフルと違って食べ応えのあるのがベルギーワッフル。ここ、House of wafflesでは、ボリューム満点のベルギーワッフルが味わえると人気です。トッピングが自由に選べるのも嬉しいですね。
詳細情報
ブルージュ名物、運河クルーズと乗馬体験で街中を観光するのはいかが?
ブルージュには、「北のベネツィア」の名前にふさわしく、運河を走るボートに乗って街中を観光することができます。道路から見る景色とはまた違った目線で見れるので面白いです。
■Boat Trips Brugge
所在地:Nieuwstraat 11, 8000 Brugge, ベルギー
電話:+32 50 33 32 93
ブルージュの旧市街では、石畳をパカパカ歩く馬の足音が聞こえます。いかにもヨーロッパらしい光景ですね。馬専用の水飲み場だってほら、このとおり。
ブルージュ観光、名産品のレース編みとチョコレートを
ブルージュは16世紀ごろからレース編みの産地として知られ、長らくヨーロッパ中の人々に愛されてきました。街中には精巧で美しいレース編みがショーウィンドウに飾られている店が目につきます。
手作業で一つ一つ丁寧に作られた繊細なレース編みは、大切な人への贈り物にどうぞ。
ブルージュ市内には、レオニダスやゴディバなどの有名店からローカルのチョコレート屋さんまでたくさんのショップが軒を連ね、チョコレートの街としても有名です。
写真のお店「DUMON」のチョコレートは、ここ、ブルージュでしか手に入りませんので要チェック!本場のベルギーチョコレートはきっとお土産に喜ばれることでしょう。
ベルギーイチ押しの観光都市、ブルージュへ
ブリュッセルやアントワープに比べ、日本人にあまり知られていないのがブルージュ。しかし、そこには訪れるべき価値のある観光スポットが満載です。ベルギーにお立ち寄りの際は、ぜひブルージュを訪れてみてください。